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本物のフェミニストは男性を差別したりしないということ

男性差別することをフェミニズムだと思っているような連中は消えてほしい

国際女性デーだからこそ、男性のしんどさにも目を向けよう

小島慶子 | タレント、エッセイスト
3/8(水) 9:00
国連「UNウィメン」親善大使の女優、エマ・ワトソンさん。『ヴァニティ・フェア』誌の撮影でセクシーな服を着た彼女を「悪いフェミニスト、偽善者」と批判する声に対して「フェミニズムの本質は、女性に選択肢を与えること」と反論しました 。そう、着たい服を着ればいいのです。「女らしさ」の押し付けに憤る人たちが、女性の権利について勇敢に語る女性に、紋切り型の「フェミニストらしさ」を押し付けてしまうのは、残念な事です。
ところで、男性はどうでしょうか。デパートのメンズ服売り場に行けばわかりますが、彼らは女性よりもはるかに選択肢が少ないですよね。女性はスカートもパンツも穿けますが、男性がスカートを穿くと「女装」と言われます。男性にも、いろんな服を着たいと思う人はいるでしょう。なのに、「男なら、スカートを穿きたくないはずだ。穿きたいと思うのは、”普通”じゃない」と言われてしまうのです。
エマ・ワトソンさんは、「男の子が女性のヒーローに憧れてもいい」とも言っています。昨年は女性たちが主人公の映画「ゴーストバスターズ」が公開されましたし、アイアンマンが世代交代して15歳の少女の「アイアンハート」になると発表されるなど、ヒーロー像もずいぶん変わりつつあります。
でも、別に超人的な力がなくても、子どもたちのヒーローにはなれますよね。そう、例えば母親だって。
そこで中3の長男に「私は君のヒーローだろうか?」と訊いてみたら、「母親」と「ヒーロー」の組み合わせに、やや混乱していました。私がパソコンを前に熱心に仕事をしているのを見て、すごいなあとか、自分も情熱をもてる仕事がしたいなあと思うそうです。でも、ママはヒーローか?と訊かれると、僕は男だし・・・と困ってしまったようです。
私と夫は息子たちに、人としてフェアであれとはよく言いますが、男らしくしろとか、強い男になれと言ったことは一度もありません。けれど彼らの頭の中には、友達との会話やメディアを通じて「男にとっての憧れは、男」という回路ができてしまっているようです。母親がヒーローでもよくない?私はそのつもりなんだけど!と話したら、それはそれでちょっと嬉しそうにしていました。
で、ふと思ったのです。ヒーローは男だと思い込んでいるのは、男性だけではないのかも。もしかしたら女性も、男性に「ヒーローであれ」と、無意識のうちに男らしさを押し付けているのかもしれない、と。ーーーそこで3月8日の国際女性デーに、男性のしんどさについても考えてみたいと思います。

■夫・息子に理想像を押し付けていないか
父親は息子のヒーローであらねばと、プレッシャーを感じている男性は多いでしょう。女性も、そうであってほしいと願うあまりにかえって夫の欠点が目につき、夫婦喧嘩の腹立ち紛れに、つい息子に「パパみたいになっちゃだめよ!」などと言ってしまうことがあるかもしれません(慚愧に堪えませんが、私はあります)。さらに絶望が深くなると、夫にヒーロー役を期待することを諦め、息子に自分の理想の男性像を教え込むことも。
かつて、日本が経済成長を続けていた頃の子育てでは「いい学校に入っていい会社に入って、お父さんより、もっと稼げる人になりなさい」というのが、母親が息子に託したヒーロー像でした。今、その昭和生まれの男の子たちが子育て世代になり、自分がママのヒーローになれなかったことを、うまく受け入れられずにいます。もう右肩上がりで稼げる時代ではなく、共働き世帯が多数派という現実に直面して、刷り込まれたヒーロー像と、妻から求められる夫像とに大きなギャップが生じているのです。
しかも厄介なのは、そんな妻たちも母親から「稼ぎのいい男が頼れる男よ」と聞かされているものだから、夫に昭和版と平成版の2つのヒーローを要求してしまうのです。よく稼ぎよく出世して、よく家事をして育児もしてね、と。男は強者なんだし、これくらいの無茶ぶりはクリアしろと思ってしまうのですね。でもそれ、本気でやったら死んじゃいます!(それを私はワンオペ育児でやってるんだよ!こっちが死ぬわ!という女性の怒りも、もっともです)。
なんだかしんどい今どきの夫婦ですが、夫に苛立ちを募らせた妻たちが、姑とは違う形で息子に望みを託す動きもあります。主婦に人気の雑誌『VERY』の20周年記念号では、ファッション的にイクメンを気取るだけで、育児や家事を本気でシェアしようとしない夫に見切りをつけ、「男の子の育て方を考えよう」という提案がなされています。
「男は仕事、女は家事」というジェンダー観を変えるべく、ママたちが立ち上がったのですね。親世代の価値観と、それを今なお支えている社会構造に対する長期戦のレジスタンスです。子育てを通じて、固定化された男女の役割を変えていこうという試みには大いに共感します。私も息子たちには、両親が私に与えたのとは違うメッセージを伝えています。
ただ、ママたちは大きな落とし穴に気をつけなければいけません。息子を自分好みのヒーローに育てて、夫の身代わりにしてしまうのです。違う違う!あなたが、息子のヒーローになるのです!・・・でもそれって、どうやって?とイメージがわかないかもしれませんね。

■「男はこういうもの」という無意識の偏見
昨年10月、ミシェル・オバマさんがニューハンプシャーで行った演説は、とても印象的でした。彼女は、トランプ氏の女性差別的な発言を激しく非難しています。注目すべきはその中で、「そうではない男性」がたくさんいることを強調していることです。あれは男同士ならよくある会話だろう、と考えるのは男性に対する偏見であり、多くの女性差別的でない男性の存在を無視することでもあるとする彼女の視点は、至極まっとうです。そして男性にも連帯を呼びかけ、断固とした態度で差別主義者にNOと言っています。
彼女の言葉は、「男性=大なり小なり性差別的な人たち、”私たち”ではない人たち」と考えてしまいがちな女性に、ハッと気づきを与えました。差別の問題を女性の怒りにとどめず、あなたも当事者であると男性に呼びかけた彼女の視点こそ、いま広く共有されるべきものではないかと思います。私たちは、同じ怒りをシェアできるのです。
あの演説を聞いて、彼女のような人になりたい、と思った子どもはたくさんいるでしょう。痛みへの共感と、フェアな視点と、怒りをポジティブな力に変える知性は、ヒーローに最も必要なものだからです。性別や人種や年齢や立場が違っても、彼女の言葉に打たれ、勇気をもらい、自分もあの人のようでありたいと思った人は、世界中にいるはずです。
ええっ、ミシェルたれなんてハードル高すぎ!と思ったかもしれませんが、べつに高学歴で演説が得意でなくても、誰にでもできることです。人を性別で判断しない。男ってね、女はね、という雑な言い方をしない。子どものクラスの集合写真で「どの女子が一番可愛いか」をうんぬんしない、駆けっこの遅い男の子をバカにしない。男の子らしく/女の子らしくしなさいではなく、人としてどう振る舞うべきかを伝える、など。女性が男女二項対立の発想から自由になり、男性に男らしさを押し付けるのをやめれば、子どもたちが女性のヒーローに出会うチャンスは、うんと増えるでしょう。
女性が女の典型を強いられて苦しむことがあるように、男性も男であれと言われて、息苦しい思いをしています。最近は、日本でも「男性学」が脚光を浴び始めて喜ばしい限りですが、男性に「男らしさ」を押し付ける社会である限り、女性にはその対称である「女らしさ」が課されることを忘れてはなりません。私たちは、「らしさ」に苦しむ仲間なのです。
女性は、男性は経済的にも社会的にも強者なのだから「年収600万未満の男はお断り」とか「おやじハゲ、臭い、邪魔」とか「もっと稼げ」とか「定年後は粗大ゴミ」とか言っても構わないと考えてこなかったでしょうか。それが結局、自分たち女性を生きづらくしているのかもしれません。追い詰められた人が最も手軽に強者になる方法は、自分よりも弱い人を支配し、自由を奪うことだからです。
私は自分が片働きで家族を支えるようになって初めて、もしそんなことを自分が言われたらと想像しました。職場で散々な目にあって疲れ切って帰宅したら「小ジワだらけでみっともねえ」と笑われ、「ママ、くさいしうざい」と言われ、「なんでもっと稼げないの?」「仕事やめたら単なる生ゴミだからね」とか言われたら、私は間違いなく壊れるでしょう。その上「女なんだから耐えろよ」とまで言われたら、ふざけんな!と暴れるかもしれません。
職場でもそれ以外の場所でも「ひどいことに耐えろ、文句を言うな、それが当たり前だ」という圧力を受け続けたら・・・。男たちは、どうやってその理不尽さに耐えたのだろう。そう考えた時、中高6年間、 痴漢(言うまでもなくこれは性暴力です)と戦いながら乗った満員の通勤電車に充満していた空気・・・あの深い恨みにも似た負のエネルギーの正体が、少しわかった気がしたのです。
日本では、どんな過酷な労働環境でも文句を言わず、組織の利益のために私生活をすべて犠牲にして働く「男らしい」男と、そんな男らしい男を讃え、身の回りの世話をすべて引き受け、どれほど身勝手なことをされても聖母のような慈愛で許し、文句ひとつ言わずに家事と育児を一人でやりきる女らしい女性が、美しい夫婦像としてかつてヒット曲にも歌われました。懐かしいですね、『聖母たちのララバイ』。企業戦士と専業主婦の歌です 。
私も子どもの頃に歌詞を諳んじて随分歌ったものですが、大人になってある日シャワーを浴びながら歌っていたときに「これ、随分な歌詞だな!」と気付いた次第。まあ、楽曲に罪はないのでそれはさておき・・・そんな世の中でハッピーなのは、滅私奉公のオトコ社会で特権を手にした、ごく一部の人だけではないでしょうか(注・それはなにも男性とは限りません)。
いまや、女VS.男の対立ではないのです。従来の「あるべき男女モデル」を好都合だと思っている人と、押し付けられて疲弊している人との理不尽な関係が、職場や家庭のいろいろな場面で軋みを生んでいます。
女性が働きやすく、生きやすい世の中とは、性別に関係なく、誰もが人間らしく生きられる世の中であり、働きながら人生を楽しむとか、働きながら家族と生きるという当たり前のことが可能な世の中です。家庭内ではつい「男は仕事ばかり!」「俺だって早く帰りたいけど無理なんだよ!」と責め合ってしまいがちな男女ですが、「なんでこんなにしんどいのか?」と一緒になって考えてみると、それは目の前の配偶者のせいではなく、今の働き方の仕組みとか、これまで常識とされてきた男女の役割に問題があるとわかります。

■「輝くロールモデル」なんていらない
もちろん、男女の不平等はなくさなければなりません。なんと言っても日本は、世界経済フォーラムジェンダーギャップ指数のランキングでは、前年よりもさらに10位も順位を落として144カ国中111位、男女の賃金格差はOECD加盟国中でワースト2位という、女として生まれるには最も不幸な国の一つですから、制度面で女性を支援しなくてはいけないのは自明のこと。女性管理職の登用や国会議員のクオータ制(男女格差をなくすために、一定数を女性に割り当てる制度)も必要でしょう。
クオータ制というと決まって「人材が少ないのにそんな制度を作ったら、凡庸な女が登用される。それはかえって働く女性の評価を下げる」という女性がいます。性別だけを理由に冷遇されている女性がいることには想像が及ばず、「私は男社会にちゃんと適応した。今のままでも、優秀な女性なら評価されるはず」というのはあまりにも視野が狭い意見です。とびきり優秀か、とびきり珍しい存在でないと、女性が管理職や議員になれない現状がおかしいのです。無能な男性管理職なんて掃いて捨てるほどいますが、それをもって誰が「男は全員無能だ」と考えるでしょう?クオータ制は「凡庸な女が性別だけを理由に優遇される制度」ではなく、女性の管理職や議員にも、男性の管理職や議員と同じように、人材の幅をもたせる取り組みです。
男性が職場の女性を褒めるときに「彼女は優秀でね、中身オトコだから」ということがあります。キャリアを積んでいる女性や、やる気に溢れる若い女性の中には「私、中身オトコですから」と自ら誇らしげに言う人もいますね。でもそれ、「私は大多数の無能な女とは違うんです」っていう女性蔑視的な本音がだだ漏れで、なんの自慢にもなってませんから!男性も女性も、中身は人間です。彼女たちが得意げにオトコと呼んでいるものの正体は、非人間的な働き方を強いるシステムと、それを肯定する価値観です。内なるオトコを誇ることは、女性への偏見だけでなく男性への偏見(そのシステムに適応して成功している男性しか、男としてカウントしていないという事実)も露呈しているのです。
「働く女性」とひとくくりにされることが多いですが、当然ながら十人十色です。正規・非正規という雇用形態の違いだけでなく、どんな働き方がしたいかも人それぞれ。キャリアを追求する女性がぶつかるガラスの天井の存在はよく知られていますが、最近は女性を分断する「ガラスの床」の存在も指摘されています。
電通総研の調査に表れているように、働いている、もしくは再び働きたいと思っている女性の全員が管理職になりたいわけではないし(私も会社員だった頃、管理職になることには全く興味がありませんでした)、大半の女性は輝く女性のロールモデルなんかいらないと思っています。「あの人みたいになりたい」ではなく「いまの私のまま、働きやすく生きやすい社会にしてくれよ」が本音なのです。バリバリ働いて役職を目指す人がいる一方で、ゆるく働くぐらいがちょうどいいという人がいるのも当然でしょう。
同じように考えている男性も、きっとたくさんいると思います。出世なんて興味ないと思っている人もいるはずです。でもそんなことを口にしたら、職場からも家族からも「ダメ男」のレッテルを貼られてしまう。女性以上に、日本の男性の働き方や生き方には選択肢がありません。女性を自由に!と言うだけでなく、声無き多数派である不自由な男たちに「しんどいと言っていいんだよ」と言うことも大切です。彼らが声をあげれば、多様な生き方が可能な世の中を望む当事者の数が、劇的に増えるのですから。私たちは、非人間的な働き方やジェンダーの押し付けに対して、一緒にNO!と言えるのです。
女性は差別を受けてきた当事者であり、排斥され沈黙を強いられている人々のシンボルでもあります。辛い思いをしている人に、あなたは怒っていいんだよ、と手を差し伸べ、励ますことができるのは、自ら痛みを知っているからこそ。アメリカの大統領就任式の翌日に行われた数百万人規模といわれるウィメンズ・マーチに参加したのは、「怒れる女性とそのアライ 」ではなく、女性に対する暴力や差別を生み出す価値観に対してNO!を突きつける、様々な立場の人たちだったのではないでしょうか。
まだまだ男性優位の社会で、自分の性別を意識しないではいられない状況に置かれている女性たちは、ときとして、この問題は女性だけのものだと考えてしまいがちです。けれど女性に限らず、誰も性別を理由に不利益をこうむったり、生きづらい思いをしてはならないのです。その視点があれば、意外にも自分のすぐ隣に、同じしんどさを抱えた見慣れた顔を・・・寝起きでヒゲが伸びているかもしれませんが・・・見つけることができるかもしれません。

https://news.yahoo.co.jp/byline/kojimakeiko/20170308-00068469/

男だからといって強いわけじゃない。

買ったけど、辛くて読めない。

DV防止法のせいで、わが子に会えず苦しむ父親もいる

ニューズウィーク日本版 3/20(月) 14:46配信
父親たちの本音をすくい上げるノンフィクション『わが子に会えない』。気になるのは、実際には暴力をふるっていないのに「DV夫」のレッテルを貼られ、子どもに会えなくなる人もいるということだ>
『わが子に会えない――離婚後に漂流する父親たち』(西牟田靖著、PHP研究所)は、ある日突然、子どもと会えなくなってしまった父親たちの本音をすくい上げたノンフィクション――とだけ聞いてもピンとこないかもしれないが、冒頭に登場する「ある事件」についての記述を読めば、どういうことなのか推測できるはずだ。
 2013年のXマス2日前、都内の小学校の校庭で男性とその息子が発火するという事件があった。消し止められたが助からず、ふたりとも命を落としてしまった。男性はマスコミに勤務する40代。野球の練習をしていた息子を校庭の隅へと連れ出した後、自らに火をつけた。妻子と別居中だった男性は、子どもに会うことを制限されており、しばしば妻子の家や学校に現れることがあったという。(2ページ「プロローグ」より)
 たしかに、そんな報道があった。痛ましい事件だったが、その背後には、子どもに会いたくても会わせてもらえない父親の苦悩があったのだ。そして忘れるべきでないのは、上記の父親のように子どもとの面会を制限され、精神的に追い詰められていく人は現実に多いのだろうということだ。なにしろ、年間20万組以上が離婚しているのだから。
 なお、本書に説得力を与えている要因がある。著者自身が、上記の事件のすぐあとに当事者になってしまったということだ。
 翌年の春、妻が3歳の子どもを連れて出ていき、夫婦関係が破綻した。離婚届を受理したという通知が役所から届いたとき、一時的に記憶がなくなり、自転車をなくすほどであった。愛してやまない当時3歳の娘に会えなくなったことが、なんといってもショックだった。自分の両手をもがれてしまったような喪失感がしばらく続き、いつふらっと線路に飛び込んでもおかしくはなかった。生きている実感がまるで湧かず、体重は10キロほど落ちた。(2ページ「プロローグ」より)
そこで著者は、わらにもすがる思いで、同じように子どもと会えなくなった親たちが体験を共有する交流会に参加する。つまりそのような経緯を経て、本書は必然的に生まれたのである。
気になったことがある。身に覚えのないDV(ドメスティック・バイオレンス)を主張され、子どもに会わせてもらえず、苦しんでいる人が多いという話だ。
「数えていたわけではないが、全体の半分ぐらいはあっただろうか」と著者は記しているが、たしかに本書で紹介されている人の多くが「DV夫」としてのレッテルを貼られている(もちろん女性がその立場に立たされているケースもあるのだろうが、男性当事者の数が圧倒的であることから、本書もそちらに焦点を当てている)。
【参考記事】児童相談所=悪なのか? 知られざる一時保護所の実態
背後にあるのは、2001年にDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律)が制定されたことだ。「配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備し、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図ることを目的とする法律」[内閣府男女共同参画局HP]というもの。具体的には、次のように行使されるのだそうだ。
 ――被害者は配偶者暴力相談支援センターや警察などへ出向き、DV被害について相談する。行政は被害者の申し立てを受けて被害者の居所を秘匿する。希望者は配偶者(加害者)の暴力から逃れるためにシェルター(ほぼ女性のみが対象の一次避難施設)などに避難。地方裁判所が認めれば、加害者に対し保護命令に含まれる接近禁止令や(世帯が居住する家からの)退去命令が発令される――。(5ページ「プロローグ」より)
子どもに会えなくなる状況を生み出す原因がここにある。離婚して親権を得たいパートナーが、実際にはないDV被害を訴えることで保護を望む。行政はそれに応える。結果として、加害者扱いされた側は子どもに会う機会を失う。もちろん世の中には実際にDVに苦しんでいる人も大勢いるだろう。しかし一方には、こうした経緯により「DV夫」にされてしまう人も少なくないということ。(被害者たる)パートナーを守るための制度が、本来の目的とは違う形で使われているわけだ。
「『暴力を受けた』と言った者勝ちなんです。証拠だとはとても言えないあやふやな主張がひとつひとつ積み重ねられ、DV被害者としての肩書きというか実績がどんどん加わっていくんです。裁判でDVの認定が却下されたというのに、行政や警察は、妻の言うことすべてを鵜呑みにして、妻子の住所を私に秘匿したまま。私が調べて欲しいと言っているのに、警察が捜査をしたり話を聞きに来たりしたことは一度もありません。本当に私が暴力を振るったんなら刑事事件として立件すればいいんですよ!」 40代の会社経営者、長谷川圭佑さん。穏やかで優しそうな顔をそのときばかりは引きつらせた。(59ページより)
このように、「暴力を受けた」という一方的な主張によって追い詰められる人もいることを、本書は証明している。どうしようもできずに泣き寝入りする人がいれば、納得できないからと徹底的に争う人もいる。対抗策は人それぞれだが、一般的な感覚からすると首をかしげざるを得ないようなことが現実に起きていることだけは間違いないようだ。
ちなみに本書に登場する父親たちの大多数は、裁判所や弁護士の世話になった結果、耳を疑うようなつらい体験をしてきたのだという。裁判所に悪意があるわけではなく、それどころか彼らには善意があり、専門知識を持ったスペシャリストであるはずだ。しかし官僚組織である裁判所においては、組織として回していくことが、公平な紛争解決よりも、組織防衛上、なにより重視されるということだ。
【参考記事】家事をやらない日本の高齢男性を襲う熟年離婚の悲劇
裁判官1人あたり100件以上の訴訟案件を抱えており、さらに毎日数件のペースで案件が増えていくと聞けば、致し方ない話ではあるのかもしれない。でも、だから父親たちは我慢を強いられなければならないのだろうか? 幸いなことに、そういうわけでもなさそうだ。日本でも面会交流の拡大や共同親権制度への変更に向け、国や行政が重い腰をあげるようになってきたというのである。これはアメリカの30~40年前の動きに近いそうだが、ともあれ期待したいところである。
 これまで"離婚=親子の別れ"という考えが強く、そのために別れて暮らす子どもと別居親が会うことが困難を極めた。しかし、世の中は変わりつつある。(中略)争ってでも会おうとしている親が確実に増えてきたのだ。そうした声を受けてのことなのか。子どもと離婚に関して記した日本の民法766条が2012年に変更となった。"面会交流と養育費の分担"について追記されたのだ。 2016年10月に法務省は、養育費に関する法律解説や夫婦間で作成する合意書のひな型を掲載したパンフレットを作成し、全国の市区町村の窓口で、離婚届の用紙を交付した際に配ったり、法務省ウエブサイトで公開し始めている。また、裁判所にしても面会の"相場"をゆるめつつある。(317ページより)
戦後、日本の家族の形が変わるなかで、女性の社会進出が進み、DV防止法ができるなど、女性の権利が守られるようになった。それ自体はとてもよい傾向だ。しかし今後は、父親たちや男性たちの権利も、もっと認知されるべきだと著者は主張する。つまり、そうした権利を求める動きのひとつが、父親が子どもに会ったり共同親権を求めたりする運動だということ。
 ――男だって子どもと存分にふれ合いたいし、育てたい。親として子どもと一緒に生活することで、生きて行くことの喜びを感じたり、親として成長していきたい――。(317ページより)
著者のこの言葉にこそ、子どもに会えない父親たちの本音が集約されているのだろう。
『わが子に会えない――離婚後に漂流する父親たち』
 西牟田 靖 著
 PHP研究所
[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。現在は他に、「ライフハッカー[日本版]」「WANI BOOKOUT」などで連載を持つほか、「ダヴィンチ」「THE 21」などにも寄稿。新刊『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)をはじめ、『遅読家のための読書術――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(ダイヤモンド社)など著作多数。
印南敦史(作家、書評家)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170320-00188741-newsweek-int

子どもに会えないことでの苦しみをあざけるような発言は許せない。

父親が放火し、3人の子どもと一緒に亡くなった事件(2016年11月6日)

子ども3人を殺害、放火した疑い 死亡の父を書類送検

朝日新聞デジタル 3/8(水) 11:17配信
 新潟市北区の住宅で昨年11月、父親と子ども3人の遺体が見つかった火災で、新潟県警は、父親の会社員男性(当時27)が油をまいて火を付け、子ども3人を殺害したとして、殺人と現住建造物等放火の容疑で被疑者死亡のまま書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
 火災は同月6日午後11時半ごろに発生し、木造2階建て住宅の2階部分約50平方メートルが焼けた。2階の寝室から男性が、隣の子ども部屋から長男(同8)、次男(同6)、長女(同4)がいずれも遺体で見つかった。県警の調べで、現場からは油が入っていたとみられるポリタンクが見つかり、2階の広範囲で油の成分が検出されていた。
朝日新聞社

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170308-00000055-asahi-soci

動機は何だったのか?母親はいなかったのか?背景が気になる。


日本的な離婚後の父子引き離しの風景ってこれだなと思った

俺はまだ本気出してないだけ(4) (IKKI COMIX)

宮田は主人公の友人で、離婚して親権は元妻にあって息子と面会交流している状態。息子とわずかな時間しか会えない中で息子がパンが好きだと言ったことから、息子を喜ばせるために脱サラしてパン屋を始める。
パン屋の経営がようやく軌道に乗ってきたところで元妻から切り出された場面がこれ。

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元妻が再婚するから、宮田は息子のことを忘れてくれ、養育費もいらない、と言われる。

元妻のセリフにある「父親が2人いるって自然じゃないと思うの。」というのが、今の日本の価値観そのもの。作品としてよく出来てると思うけど、読んでて辛かった。この価値観こそが日本で親子引き離しを蔓延させてる原因だと思う。


以下、ネタばれあり。

続きを読む

「お前は家族からも見捨てられた」とレッテルを張る精神攻撃

子を連れ去られた親に対して「子供はお前に会いたがっていない」と伝える行為って、警察が逮捕取り調べ中に「お前の親はお前が罪を認めないことで悲しんでいる」とか言うのと同じじゃないか。


愛する家族からすら拒絶される、それも正当な理由なく、連れ去った側の一方的な告げ口によってそうなってしまう状況、それを放置する裁判所。
生きる望みすら絶たれるような絶望感。当事者以外にはわからないんだろうな。

首相夫人は公人

安倍首相「妻を犯罪者扱い」=共産追及に不快感

時事通信 3/1(水) 20:21配信
 「妻をまるで犯罪者扱いするのは極めて不愉快だ」。
 学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題をめぐり、安倍晋三首相は1日の参院予算委員会で、「名誉校長」だった妻の昭恵さんと学園側の関係を追及する共産党小池晃書記局長に、声を荒らげて不快感を表明した。
 小池氏は「昭恵夫人は、籠池泰典理事長とはいつからの知り合いで何回会っているのか」などと追及。首相は「私は公人だが、妻は私人だ。いつ知ったかは承知していない」と答弁した。
 小池氏は「すぐに分からないなら、あす、また質問するので、おうちに帰って(夫婦で)お話ししていただきたい。首相夫人だから明らかに公人だ」と引き下がらなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170301-00000143-jij-pol

共産党は嫌いだけど、これについては共産党の言うことのほうが正しいと思う。
首相自身が、首相夫人を私人だといって追及させないようにするのはいくらなんでも問題だ。首相夫人は公人だ。

イギリスでも母親による面会交流妨害によって離婚後父子関係は悪化する

“The reasons are well known. Some dads walk away. Other dads and their children are prevented from having a meaningful relationship because mum, for whatever reason, doesn’t encourage or even allow one to flourish. Other dads struggle with confidence and health issues post-divorce – these reasons are not perhaps not so well known.”


Children of divorce: 82% rather parents separate than 'stay for the kids'

Sunday 22 November 2015 15.00 GMT

Poll by Resolution also finds nearly a third would have liked if divorcing parents did not criticise each other in front of them

Most young people who have experienced divorce do not believe parents should stay together for the sake of the children, according to a survey by the family law organisation Resolution.
The poll found that 82% of those aged 14 to 22 who have endured family breakups would prefer their parents to part if they are unhappy. They said it was ultimately better that their parents had divorced, with one of those surveyed adding that children “will often realise, later on, that it was for the best”.
Asked what advice they would give divorcing parents, another said: “Don’t stay together for a child’s sake, better to divorce than stay together for another few years and divorce on bad terms.”
The survey, released before the latest annual divorce figures from the Office of National Statistics, show that children want greater involvement in decisions made during the divorce process. More than 60% of those polled felt their parents had not ensured they were part of the decision-making process in their separation or divorce.
Half of young people indicated they did not have any say as to which parent they would live with or where they would live. An overwhelming majority – 88% – agreed it was important to make sure children do not feel like they have to choose between parents
Feelings of confusion and guilt are commonplace. About half admitted not understanding what was happening during their parents’ separation or divorce, while 19% agreed that they sometimes felt like it was their fault.
Resolution’s research suggested that many parents handle their separations well: 50% of young people agreed that their parents put their needs first.
In the survey, carried out by ComRes, 514 young people aged 14-22 with experience of parental divorce or separation from a long-term cohabiting relationship were interviewed.
The findings are released before the parliamentary launch of an online advice guide developed by Resolution for divorcing parents to help manage relationships with their children and with each other.
When asked what they would most like to have changed about a divorce, 31% of young people said they would have liked their parents not to criticise each other in front of them; 30% said they would have liked their parents to understand what it felt like to be in the middle of the process.
The research also suggested that young people’s relationships with their mother and wider family members are likely to stay the same or improve after divorce whereas their relationship with their father is likely to worsen.
The survey results come before the publication on Monday of the latest available annual divorce statistics, for 2013, by the ONS.
The number of divorces in England and Wales declined consistently between 2003 and 2009, reflecting the overall fall in the number of marriages. Since then it has fluctuated. In 2012 there were 118,140 divorces – an increase of 0.5% over the previous year.
Jo Edwards, Resolution’s chair, said: “Despite the common myth that it’s better to stay together for the sake of the kids, most children would rather their parents divorce than remain in an unhappy relationship.
“Being exposed to conflict and uncertainty about the future are what’s most damaging for children, not the fact of divorce itself. This means it is essential that parents act responsibly, to shelter their children from adult disagreements and take appropriate action to communicate with their children throughout this process, and make them feel involved in key decisions, such as where they will live after the divorce.
“We should be supporting parents to choose an out of court divorce method, such as mediation or collaborative practice. This will help parents to maintain control over the divorce and ensure their children’s needs are, and remain, the central focus.”
Denise Knowles, a counsellor with the relationship support group Relate, said: “Evidence suggests that it’s parental conflict which has the most damaging effect on children and we see this played out in the counselling room every day. Children usually find their parents’ separation extremely upsetting but as this research demonstrates, eventually many come to terms with the situation and adjust to changes in family life.”
Sue Atkins, a parenting expert and author, said: “Children want to feel involved and empowered with relevant information about their parents’ divorce and what it means for them. They also want to see their parents behaving responsibly, such as to not argue in front of them.
“That so many children report their relationships with family members remain unchanged after a divorce shows the value in parents seeking advice to support them to find positive solutions to their disputes.”
Bob Greig, the founder of the single fathers support organisation Only Dads, pointed out that nearly half of children reported that their relationship with their father worsened after divorce. “Although not surprising, [it] is always heartbreaking to hear. It doesn’t need to be like this,” he said.
“The reasons are well known. Some dads walk away. Other dads and their children are prevented from having a meaningful relationship because mum, for whatever reason, doesn’t encourage or even allow one to flourish. Other dads struggle with confidence and health issues post-divorce – these reasons are not perhaps not so well known.”

https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2015/nov/22/children-divorce-resolution-survey-rather-parents-separate