子どもを病的な片親疎外にされた時の別居親(片親疎外の標的にされた親)の取るべき態度

 4.拒絶された親の対応

 子どもが"離婚毒"に感染した兆候を示し始めたとき、標的にされた親の対応が、最終的な結果に決定的な役割を果します。この章の最初で示したアドバイスを実践する別居親は、子どもが片親疎外に抵抗できるようになる可能性を高めるでしょう。子どもが反抗的かつ攻撃的な態度を示しても、自己抑制しつつ、子どもの気持ちに共感しなければいけません。そして、子どもと面会交流を続けるために、ありとあらゆる手段を試みる必要があります。片親疎外を止める可能性を高めるために、以下の七つの原則を試してみてください。第七章「毒のコントロール」でより詳しく述べています。

(1)短気を起こされないこと。攻撃的にならないこと。子どもを厳しく批判しないこと。
(2)子どもをあなたが逆に拒絶しないこと。子どもがあなたに会いたくないのなら、あなたも子どもに会いたいとは思わない、などと言わないこと。
(3)面会交流の条件を、子どもと元配偶者の意向にゆだねないこと。子どもが会いたいと感じる「正しい時」が来るまで、辛抱して待たないこと。疎外された親は、「正しい時」が来ないということに気づくのが、遅すぎます。
(4)子どもの拒否的な態度について話し合うことで、時間を費やさないこと。子どもとは争わず、楽しい時を過ごすこと。
(5)子どもの気持ちを無視しないこと。あるいは、子どもに、本当は怒ったり怖がったりしてはいないはず、などと言わないこと。たとえそれが真実だったとしても、子どもは理解されていないと感じてしまうかもしれません。
(6)その言葉は同居親が語った言葉を単純に繰り返しているだけだ、と子どもを責めないこと。ここでも、たとえそれが真実だったとしても、子どもはそれを躍起になって否定し、あなたに攻撃されたと感じるでしょう。
(7)元配偶者の悪口を言わないこと。

 一般的に、標的にされた親は子どもからこれほど拒絶され、軽蔑された経験など持っていないということを、念頭に置いておくことが重要です。子どもに突然拒絶されたときの驚きは、思春期の子どもが親の価値をいきなり引き下げ始めたときの困惑に似ています。片親疎外のプロセスを初期に察知して、上述の過ちをすべて回避できる親などいません。標的にされた親は、"離婚毒"に効果的に対応する方法を、教えてもらう必要があるのです。
((45〜46頁)

離婚毒―片親疎外という児童虐待

離婚毒―片親疎外という児童虐待